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10月 13, 2017

マグネシウム摂取量が多いほど骨折リスクが低下する

マグネシウムは、骨密度を含むいくつかの健康機能に必要な必須ミネラルである。 最近の研究では、男女ともにマグネシウム摂取量の増加と骨折の減少との間に有意な関連があることが報告されている。

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概要
  • マグネシウムは、体の多くの機能に必要な必須ミネラルである。  
  • マグネシウムの摂取量が少ないと、さまざまな慢性疾患のリスクが高まるが、骨粗鬆症(  )におけるマグネシウムの役割は、これまであまり理解されてこなかった。 
  • 最近の研究では、男女ともにマグネシウム摂取量の増加と骨折の減少との間に有意な関連があることが報告されている。 

マグネシウムは身体に必要な必須ミネラルであり、300以上の酵素反応を含む多くの機能に関与している。1 マグネシウム摂取量の低下は、様々な慢性疾患のリスク上昇と関連している。2-6 しかし、骨粗鬆症性骨折の予防におけるマグネシウムの役割は、あまり明らかではない。7 最近のメタアナリシス8では、食事からのマグネシウム摂取量の増加は、骨折リスクの低下とは関連していないことが明らかになった。実際、RDAを超えるマグネシウム摂取量は、骨折リスクの増加と関連している研究もあった。 しかし、対照的に、横断的研究では、マグネシウム摂取量の増加と骨密度との間に有意な関連が示されている。 マグネシウムはまた、骨粗鬆症の2つの重要な危険因子である炎症と酸化ストレスに対して有益な効果を有する可能性がある。  

新しい研究で、8 変形性膝関節症のリスクが高い患者を対象に、変形性膝関節症イニシアチブに登録された被験者から、8年間の追跡調査期間中にマグネシウム摂取量と骨折に関するデータが得られた。 食事からのマグネシウム摂取量の推定値は、変形性膝関節症イニシアチブのベースライン受診時に記録された食物摂取頻度調査票によって得られた。 コホートは、男性は1日当たり205、269、323、398mg、女性は1日当たり190、251、306、373mgを用いて、性別によってマグネシウム摂取量の五分位に分けられた。 コホート全体の参加者は3765人で、平均年齢は60.6歳であった。 

The mean intake of magnesium was 295 mg per day. Only 27% of the whole cohort reached the corresponding magnesium RDA (420 mg/d for men and 320 mg/d for women, respectively). After a mean follow-up period of 6.2 years, 560 individuals develop a new skeletal fracture. Both men and women with higher magnesium intake reported a significantly lower incidence of fractures compared with those having the lowest magnesium intake. After adjusting for 14 potential confounders at baseline, and using those with the lowest magnesium intake as the reference group, men and women in the fifth quintile (highest magnesium intake group) reported a 53% lower risk for bone fracture. If the subjects were divided on the basis of the RDA for magnesium, only women reaching the RDA for magnesium had a significant reduction in fracture risk. Total magnesium intake, modeled as a continuous variable, however, was not associated with any decrease risk of fracture at follow-up.  

この研究結果は、Osteoarthritis Initiativeの参加者のうち、少なくともRDAレベルのマグネシウムを摂取していると報告したのはわずか1/4であったことから注目される。 この研究は、男女ともにマグネシウムの摂取量の増加と骨折の減少との間に明確かつ有意な関連があることを報告した初めてのものである。 マグネシウムは体内で無数の機能を有するため、マグネシウムの摂取量の増加が骨折に及ぼす作用の分子メカニズムを解明する追加研究が必要である。

参考文献

1. Swaminathan R (2003) マグネシウム代謝とその障害 Clin Biochem Rev 24, 47-66.

2. Veronese N, Zanforlini BM, Manzato E, et al. (2015) Magnesium and healthy aging. Magnes Res 28, 112-115.

3. Del Gobbo LC, Imamura F, Wu JHY, et al. (2013) Circulating and dietary magnesium and risk of cardiovascular disease: a systematic review and meta-analysis of prospective studies. Am J Clin Nutr 98, 160-173.

4.水島聡、Cappuccio FP、Nichols R、他(1998)食事性マグネシウム摂取と血圧:観察研究の定性的概観 J Hum Hypertens 12, 447-453. 

5. Sarrafzadegan N, Khosravi-Boroujeni H, Lotfizadeh M,et al. (2016) Magnesium status and metabolic syndrome:  a systematic review and meta-analysis. Nutrition 32,409-417.

6. Dong J-Y, Xun P, He K, et al. (2011) Magnesium intake and risk of type 2 diabetes: meta-analysis of prospective cohort studies. Diabetes Care 34, 2116-2122.

7.ヴェロネーゼ・Nら:食事からのマグネシウム摂取と骨折リスク:大規模前向き研究のデータ British Journal of Nutrition 2017; 117:1570-1576.

8. Farsinejad-Marj M, Saneei P& Esmaillzadeh A (2016) Dietary magnesium intake, bone mineral density and risk of fracture: a systematic review and meta-analysis. Osteoporos Int 24, 1389-1399.

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