ガッツと科学が必要である：ヒトの健康のためのヒトミルクオリゴ糖（HMO）の背後にある最新の研究を解き明かす

概要

• ヒトミルクオリゴ糖（HMO）を特徴とするサプリメントは、消化器系の健康、免疫、および脳機能に利益を提供し、乳児および成人の栄養に大きな可能性を持っています。
• この急速に進化する新たな研究分野において、腸の健康イノベーターに情報を提供し続けるために、我々は HMO が腸内細菌叢と免疫反応に与える影響を探求する 2 つの新しい論文から得られた主要な知見を要約した。
• 最新の HMO 科学を読み解き、健康と栄養の分野における証拠に基づく主張の一歩先を行く。

近年、腸の健康に対する消費者の関心は飛躍的に高まっている。 これは主に、腸内マイクロバイオームとその健康全般への影響に対する一般市民の理解と意識の高まりによるものである。 さらに、胃腸の問題と食物過敏症が増加しており、腸の健康を守ることが多くの人にとっての優先事項となっている。^1,2 これに伴い、腸の健康市場に旋風を巻き起こしている次世代プレバイオティクスサプリメントのひとつであるヒトミルクオリゴ糖（HMO）を含む、革新的な腸サポート成分への関心が高まっている。

HMO は、乳児栄養の標準である母乳に豊富に含まれる一群の炭水化物である。 HMO は、乳児の健康と発育に重要な役割を果たす。すなわち、腸内の重要な善玉菌の餌となり、その結果、頑健な免疫系の発達を支援し、有害な微生物から保護する。³ 乳児において、HMO の補給は、免疫細胞と病原体の両方を直接調節することが示されており、腸内の微生物に到達する前に利益をもたらす。³ さらに、HMO は、腸脳軸を通じて脳と認知の発達を支援する可能性がある。⁴

新たな前臨床および臨床研究により、HMO の恩恵は、子供や大人でさえも腸内細菌叢に栄養を与え、 保護し、強化するために生涯を通じて活用できることが明らかになった。^5,6,7 特に腸内細菌叢とヒト免疫細胞に対する HMO の影響を研究している dsm-firmenich の研究者が今年発表した 2 つの論文から、重要な知見を発見してください。

1. 腸内細菌叢に対する低用量HMOの影響 

Previous studies have examined the benefits of HMOs in children and adults at high doses (5 – 20 g/day).^5,6 These doses have been shown to be safe and tolerated in adults, however the European Food Safety Authority (EFSA) recommends much lower doses for children.⁸ A new study published in Metabolites this year used a cutting-edge ex vivo system (SIFR® technology) to examine the effects of four HMOs (2′-fucosyllactose (2′-FL), lacto-N-neotetraose (LNnT), 3′Sialyllactose (3′SL) and 6′Sialyllactose (6′SL)) at low doses on microbiota and microbial metabolism from human samples.9 The HMOs were applied at doses between 0.3 – 5g/day and the microbiota of six children and six adults were examined – with both groups seeing benefits of HMOs at these lower amounts.

^{Firstly, the growth of beneficial bacterial species was enhanced with HMO treatment. For example, all four HMOs markedly increased the abundance of Bifidobacteria species in the microbiota of children, especially 2’FL which showed this effect from doses of 1 g/day. In the microbiota of adults, 2’FL and LNnT both significantly increased levels of the Bifidobacteria species at low doses, with doses of LNnT as low as 0.5 g/day showing a significant effect. Furthermore, 6’SL (and 3’SL to a lesser extent) boosted Bacteroides species in both children and adults (at 5 g/day for both). These results are important because many species from the Bifidobacteria and Bacteroides genera are important components of a healthy gut microbiome in humans of}

The HMOs were also associated with significant increases in the production of beneficial short-chain fatty acids (SCFAs) – metabolites important for maintaining gut health and supporting immune regulation.^10,11 All four HMOs increased levels of all SCFAs in a dose-dependent manner, however there were differences in the degree of effect depending on the HMO ingredient. For example, acetate was primarily increased by 2’FL and 3’SL, whereas propionate was most markedly increased by 6’SL. In the case of butyrate, the effects of HMOs were much more pronounced in adults (mostly by LNnT), which aligns with the fact that butyrate producing species are enriched in more mature gut microbiota. Other metabolites increased with HMO treatment included aromatic lactic acids and neurotransmitters like acetylcholine, which are related to immunity and the gut-brain axis respectively, as well as B vitamins.⁹

要約すると、本研究は、HMOが腸内細菌叢をサポートし、低用量でも大人と子供の両方に健康利益を提供できることを明らかにした。 さらに、本研究は、どのHMO成分が異なるライフステージにより適しているかを示し、特定の健康利益が特定のHMOで対処できることを示した。 これは、腸からの健康と早期生活栄養市場におけるサプリメント製剤の重要な指針となる可能性がある。

2.HMOは感染と闘う白血球の準備を助ける

HMO はこれまでにも免疫細胞に影響を及ぼすことが示されてきたが、ヒトマクロファージ（自然免疫系の重要な白血球の一種）に対する異なる構造の具体的な影響は、まだ完全に定義されていない。 Frontiers of Immunology に掲載された新しい研究では、病原体 Staphylococcus aureus  （ S. aureus としても知られている）の感染に応答するマクロファージに対する 3 種類の個別の HMO、2'FL、LNnT および 6'SL の影響を調べた。¹²

この研究では、HMO、特に6'SLで処理されたマクロファージは、 S. aureus に暴露されたとき、M1マクロファージ活性化に関連する遺伝子、表面マーカーおよびサイトカインの発現の増加を示した。このM1応答は、 S. aureus 感染に対する防御において重要であり、病原体のクリアランスおよび病気の回復に関連する。研究の結果はさらに、6'SLが、 S. aureus のマクロファージ貪食（マクロファージが病原体を取り込んで除去するプロセス）を増強したことを確認した。重要なことは、HMOは、病原体の不在下で免疫細胞の不必要な活性化を誘発しなかったことである。

要約すると、この研究の結果は、HMO、特に6'SLが、 S. aureus 感染に効果的に反応するマクロファージの能力を増強するが、病原体がない場合にはマクロファージの炎症反応を活性化せず、したがって本質的に感染と戦うためにマクロファージを "プライム "することを示した。これは、乳児栄養におけるHMOの重要性と、 S. aureus に感染した小児および成人-そしておそらく将来的には他の病原体-におけるHMOの使用の可能性を示している。

3.結論と革新の機会 

これらの研究において、HMOは低用量で効果を示し、病原体に応答する免疫細胞の能力に影響を及ぼす。 特筆すべきことに、データは、異なるHMOが異なる生物学的効果を有することを示している。 これらの知見は、さらなる前臨床および臨床研究を方向づけるだけでなく、Health from the GutおよびEarly Life Nutritionサプリメントの処方を導くために使用することができる。 例えば、HMOを特徴とする栄養溶液は、異なる年齢層または特定の健康上の利点に対処することをターゲットとすることができる。

この分野のパイオニアとして、当社は最先端の HMO 研究の最前線に立ち続けています。 当社の継続的な投資は、世界で最も広範な市販品である当社の高度な HMO ポートフォリオの開発に反映され、この科学分野における多くのエキサイティングな発見につながりました。